ペイント系画像編集ソフトでは、画像を拡大するとギザギザになったり、ぼやけたりします。ペイント系ソフトの編集単位がピクセルなのが原因です。ペイント系では画像をピクセルが格子状に並んだものとして扱うので、拡大するとピクセルが大きくなって、ギザギザに見えます。
また、ピクセルの色を、ピクセル中心の色と考えて、ピクセル間の色が滑らかに変化するように補完すると、ギザギザはある程度解消されますが、線と背景との境界があいまいになってぼやけます。
ドロー系の編集単位は、ピクセルではないのでぼやけません。で終わりだとあんまりですね。ドロー系では、絵を図形の集まりとして表現するのでぼやけません。図形は、座標 (0, 0) から (10, 10) への太さ 1 の線のような形式です。例えば、この図形を 10 倍に拡大すると、(0, 0) から (100, 100) への太さ 10 の線を描きます。実は、ドロー系では、拡大率によって、描かれる図形の形が変化します。
結局のところ、ドロー系で編集している図形は、厳密には、そのとき、画面に表示されている形ではありません。画面に表示されている形は入力している形の、一つの姿にすぎません。本当は、無限に解像度があった場合の、理想的な図形表現を入力しています。解像度が無限ということはありえないので、この世に存在しない対象を編集してるんですよ。数学って面白いですね。
ギザギザしませんといいたいところですが、普通は異常に拡大するとギザギザしてきます。普通は、点の座標を浮動小数点数で表していて、有効な桁数に限界があるからです。ただ、普通は意味が無いのでやりませんが、いくら拡大してもギザギザにならないような実装にすることは可能です。
何故可能かは、数学的に証明できます。いくら拡大してもギザギザしないことは、数学では、微分可能といいます。例えば、線分はあらゆる点で微分可能、すなわちどの点を中心に拡大してもギザギザしないのです。詳しく知りたい人は、高校、大学で真面目に勉強しましょう。
実はそうです。もちろん、図形の集まりを画像と定義しても問題ありません。ただ、ドロー系ソフトで編集してるのは、どちらかというと、テキストデータです。例えば、PDF ファイルなんかは、テキストエディターで読めます。ただ、普通は圧縮されてるので意味はわかりづらいですけど。
ご意見・ご要望などは
フォームメール
から送信してください。
更新情報は、
ブログ
でも配信してます。